ヨンマルレコード

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一発屋バンドの素晴らしき世界 ② The Presidents of the United States of America

Googleで「The Presidents of the United States of America」と入力すると、すぐに「ドナルド・トランプ」と出てくる。しかし、これは私の探し求めている答えではない。私が求めているのはアメリカン・ロック界の大統領。とてもイカした3人組のアイツらのことである。

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 The Presidents of the United States of America(バンド名がクソ長いので以下PUSAと呼ぶ)は、一見するとジェイソン・ステイサム風のカッコイイハゲ、クリス・バリュー(ベース、ボーカル)を中心に1993年シアトルで結成された。

まず最初に注目してもらいたいのは彼らが使用している楽器。何か珍しい民族楽器を使っているということではない。実はベースは弦が2本、ギターは弦が3本しかないのだ。普通であればベースは4本、ギターは6本である。

何故か。経費削減のためなのか?それとも制限を設けることで何か新たな表現を生み出そうという芸術的な理由からなのか?いや、きっとただ単に目立ちたかっただけだろう。そうに決まっている。実に単純である。だがそれがいい。こういうところがPUSAの魅力。

もちろん楽曲も陽気でノリのいい曲ばかり。ふざけてはいるが、ちゃんとロックしている。スマッシュヒットした「Kitty」や「Lump」もいいけど、今回は個人的に大好きな曲で、自分に気合を入れる時によく聴く「Mach 5」を聴いてみて欲しい。ちなみにこの曲は彼らのセカンドアルバムに収録されている。

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あーカッコイイ。ホント最高ですね。元気になります。ロックンロールです。他の楽曲のPVもユニークで、徹底的に楽しませてやろうというサービス精神に溢れたものばかり。見ていてポジティブな気分にさせてくれる。こういうバンドって本当に少ないと思う。もっといても良さそうなものなんだけどなあ。やはりロックバンドをやる様な人種というものはカッコつけたがる人が多いのか?

なんだか「かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう」という早川義夫のアルバムのタイトルを思い出してしまった。

PUSAは1995年にメジャーデビューアルバムを出して、翌年にセカンドアルバムを出した後、1998年には解散してしまう。その後も再結成、解散を繰り返しており、現在ではオフィシャルのウェブサイトも閉鎖されていて残念ながら活動する予定は一切なさそうだ。できることなら再結成して、見るもの全員をポジティブな気分にさせるPUSAならではのロックンロールをもう一度聴かせて欲しい。切に願う。

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