君はそのうち死ぬだろう
久しぶりにRCサクセションを聞いた。1986年8月に行われた日比谷野音でのライブを収録したアルバム「the TEARS OF a CLOWN」
このアルバムの目玉は何と言ってもこの曲だろう。
「君はそのうち死ぬだろう」
君はそのうち死ぬだろう
このまま行けば死ぬだろう
だからなんとかしておくれ
君が死んだら迷惑だから
君はもうすぐ死ぬだろう
手首を切って死ぬだろう
無理に生きてもしょうがない
迷惑だけどガマンしてあげる
君はそのうち死ぬだろう
ビルから飛び降りて死ぬだろう
君にはそのほうがいいだろう
誰も死んだ人のことを悪くは言わないよ
君はもうすぐ死ぬだろう
クスリか線路に飛び込むか
生きていたって同じこと
早く片付けた方がいい
君はもうすぐ死ぬだろう
誰かが発見するだろう
しばらく誰もが泣くだろう
僕らも泣き真似してあげる
この曲は1976年頃には完成していたがずっと未発表だった。このアルバムが初出である。陽気なレゲエのリズムに乗って歌われるこの曲。普段と様子がおかしくなってしまい、自殺しそうな友人に向けて作ったと言われている。友人にこの曲を聞かせたところ最初は怒って取り合わなかったが、結局は自殺してしまったそうだ。
もし、私が清志郎と同じ立場だったならどうだろう。きっと何も考えずに友人が元気になれる様なポジティブな歌詞を書くと思う。「大丈夫だ、がんばろうぜ!」みたいな単純な歌詞の曲を。
落ち込んで自殺しようとしている人間に向けて絶対にこんな曲は作れないだろう。同情してあげるのではなく、あえて突き放すというのも全然ありだと思う。
やはり忌野清志郎という男はとてつもなく素晴らしい詩人でありシンガーである。